特集 病院と資金調達
病院における財務諸表と資金調達
小笠原 清忠
1
1社会福祉・医療事業団医療経営指導室
pp.204-211
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903217
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医療制度改革への取り組みが進み,病院を取り巻く環境は非常に厳しくなってきている.特に50床以下の病院は毎年減少してきており,厚生省(現・厚生労働省)の「医療施設調査」によれば,昭和45年には2,694施設であったものが平成11年では1,403施設と,半減に近い状況となってきている.急性期医療における高度化,重装備化のスピードは速く,一方慢性期疾患を抱える高齢者を対象とした医療施設,介護施設では,平成12年度からの介護保険制度の施行に伴い大きな変化の波にさらされているところである.
また,平成12年4月からの診療報酬の改定により,200床未満と200床以上の病院とでは診療報酬体系が部分的にではあるが変わってきたこともあり,これからは医療を取り巻く環境の変化に適応する分析も重要となってきている.病床利用率の高まってきている病院は在院日数の短縮に,病床利用率の低い病院は患者の増加増収の対策に取り組み,特色ある病院作りに各病院では努めているところである.そこで,社会福祉・医療事業団では病院の財務諸表についてどのように分析しているか,また今後の病院の財務のあり方,資金調達のあり方について模索していきたい.
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