特別寄稿
日本版「診断群分類」―医療現場の視点から・2
桑原 一彰
1
,
松田 晋哉
2
,
今中 雄一
1
,
伏見 清秀
3
,
橋本 英樹
4
,
石川 光一
5
,
掘口 裕正
6
,
阿南 誠
7
,
佐々木 徳明
7
,
上田 京子
8
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療経済学分野
2産業医科大学公衆衛生学教室
3東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療政策学講座医療情報システム学
4帝京大学医学部衛生学公衆衛生学教室
5国立がんセンター研究所がん情報研究部
6九州大学大学院医学研究院医療システム学教室
7国立病院九州医療センター医事課
8国立仙台病院医事課
pp.394-398
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100611
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特定機能病院対象の試行診断群分類とは
今回のDPC分類version 3は平成13年度11月の中医協答申に基づいている(表4)12).ここで特定機能病院への包括評価が議論され,カバー率が90%以上となる評価体系の導入の検討を求められた.DPC分類version 1は183分類しかなく,国立病院での該当率は30%程度と低かった.DPC分類version 2(532分類)では分類数は増加したが,前述の民間病院調査での該当率は60%で,分類自体が特定機能病院に不十分で対応できないという批判が当初からあった.実際,現在収集中の特定機能病院データをversion 2に当てはめた場合の該当率は70%弱であった.そこで新たな診断群分類の作成が必要になり,関係学会の保険診療に見識ある部会の協力を求め,平成13年度末から作業に取りかかった.
診断群分類構築の考え方は,図4 に示すように臨床現場の診療思考過程に基づいている.①傷病名が始めにあり,②それに対する手術・処置の選択が続き,③重症度や合併症,という3層構造を意識している.
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