特別寄稿
日本版「診断群分類」―医療現場の視点から・1
桑原 一彰
1
,
松田 晋哉
2
,
今中 雄一
1
,
伏見 清秀
3
,
橋本 英樹
4
,
石川 光一
5
,
掘口 裕正
6
,
阿南 誠
7
,
佐々木 徳明
7
,
上田 京子
8
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療経済学分野
2産業医科大学公衆衛生学教室
3東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療政策学講座医療情報システム学
4帝京大学医学部衛生学公衆衛生学教室
5国立がんセンター研究所がん情報研究部
6九州大学大学院医学研究院医療システム学教室
7国立病院九州医療センター医事課
8国立仙台病院医事課
pp.316-319
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100594
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急速な人口高齢化と医療技術革新によるコスト増大などで,日本の医療保険制度は財政的難局にある.また各方面でのいかに効率的資源配分を行うかの議論は日々紙面をにぎわしており,医療の分野も避けては通れないであろう.しかし現実にはどのような病院で,どのような医療行為が行われ,どのようなコストでどのような臨床アウトカムが行われているかの医療の質の評価,効率性評価,医療行為に基づく病院管理評価などのための客観的なデータが欠乏している.これはひとえに臨床情報,財務情報管理のための標準的フレームワークと,それによる継続的な評価体制がないためである.
一方,現在,日本の入院医療の問題点が指摘されている.欧米に対して長い平均在院日数,病院機能の未分化(急性期,慢性期医療のあり方,病診連携など),不十分な施設環境(狭い,汚い,暗い),医療費における地域格差,施設間格差などである.これらの問題を説明・解決するために,客観的評価のための情報が必要である.
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