特集 デフレ下における病院
医療のデフレ下における対策
リース・レンタルの活用
石井 光春
1
1住商リース株式会社
pp.121-123
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100559
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これからの病院経営
現在わが国は政治・経済・社会制度などあらゆる面において大きな変革期を迎えている.マクロ経済面では,バブル経済崩壊以降長期にわたる景気の低迷により企業業績は悪化し,所得や雇用の不安を招く局面にまで至っており,これにより個人消費は落ち込み,企業業績はさらに悪化するという,デフレスパイラルと呼ばれる悪循環に陥っている.さらには,企業倒産の増加や株式市場の低迷から金融環境に対する不安も増大している.一方,行政制度などの面においては,深刻な税収不足などによる財政悪化に加えて,少子高齢化による社会保障制度の財政不安などにより,もはや従来の枠組みの下での運営が困難な状況になっており,あらゆる面から制度改革が進められようとしている.
このような環境の中,医療業界においてもかつてなかったような大きな変革の波が押し寄せている.その中で特に影響が大きいと思われるのは,①医療制度の改革,②金融環境の変革であり,この二つが密接に関係し合い,これからの病院経営はますます厳しさを増していくと思われる.
現在進められようとしている医療制度の改革では,国民の医療負担の増加と診療報酬の見直しが骨子となっており,デフレ経済下で深刻化している患者数の減少に拍車がかかり,病院間の競合はますます厳しさを増すものと推測される.こうした中で,この競合に勝ち残るためには,医療サービスの向上に向けた設備投資を積極的に行う必要があるが,その方法についてはより効果性の高い手段を講じることが重要となる.
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