整形外科 名人のknow-how
エコーガイド下ハイドロリリース
後藤 英之
1
Hideyuki GOTO
1
1至学館大学健康科学部,健康スポーツ科学科
pp.788-795
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003023
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運動器疾患の痛みや機能障害に対する注射治療としては,神経ブロック,関節内注射,トリガーポイント注射などがある。神経ブロックはペインクリニックの領域でも広く行われている方法であり,神経周囲に局所麻酔薬やステロイド薬を注射することによって,神経を介した求心性の痛みの伝達をブロックすることによって,痛みを軽減する方法である。関節内注射は関節内部に薬剤を注入することによって,関節内の炎症を緩和し,関節内の滑走性改善などの物理的な作用を期待するもので,局所麻酔薬と合わせてステロイド薬などが用いられる。また肩関節や膝関節内には,炎症の改善に加えて,関節滑動性の改善効果をねらってヒアルロン酸の注射も行われる。さらに,腱付着部炎,腱付着部症や腱鞘炎の改善のために腱鞘内への注射が実施されるほか,筋腱周囲の滑走性や疼痛改善の目的で滑液包注射などが実施される。加えて,従来,筋・筋膜性の疼痛発現部位のことはトリガーポイントと呼ばれており,トリガーポイントに向けての注射治療などが行われている。
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