特集 医療連携における看護師の役割
東大病院における退院支援の現状と課題―地域医療連携室において看護職の果たす役割
柳澤 愛子
1
1東京大学医学部附属病院地域医療連携部
pp.386-390
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100502
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人口の高齢化と疾病構造の変化に伴い,医療提供体制の整備が急がれている.病院も今までの自己完結型医療から地域ニーズをふまえた機能分化と在宅支援強化など地域医療との連携が必要となった.また医療連携を行って平均在院日数短縮を図ることが求められている.東京大学病院においても各診療科をあげて在院日数の短縮に向けて努力しており,このところやっと病院職員全体に医療連携の円滑な運用の必要性が浸透し,成果が上がってきたといえる(図 1).
東京大学病院地域医療連携部(旧医療社会福祉部)は,中央診療部門として各診療科と地域の医療機関の連絡調整を行い,患者が適切なケアが受けられるように退院支援を行う部として 1997 年 4 月に設置された.筆者は,医療・介護・福祉のコーディネーションを専門に行う看護師(在宅医療コーディネーター)として開設当初から関わってきた.特定機能病院である当院に,退院支援・在宅医療の推進を専門に行う部署を置き,多職種の専任スタッフが全診療科の入院患者を対象に退院支援を行うことによって,患者・家族が安心し満足できる早期退院が可能になった.
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