特集 介護保険施設と医療のあり方
介護老人保健施設からみた今後の介護保険施設と医療提供
漆原 彰
1
1社団法人全国老人保健施設協会
pp.127-131
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100484
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「転換老健の受け入れも含め,これからの老健はどのような機能を持つべきか」という趣旨に沿ってまとめるにあたり,まず最初に,いくつかの前提について整理をしておきたい.
前提1 療養病床の再編にかかる問題は,一義的には老健とは関係がない.
厚生労働省(以下,厚労省)は平成17年末に突然,「療養病床の再編」と称した医療保険適用療養病床(以下,医療療養病床)の大幅削減,介護保険適用療養病床(以下,介護療養病床)の廃止の方針を打ち出した.現在約38万床ある療養病床(25万床が医療療養病床,13万床が介護療養病床)を,平成24年度には医療療養病床のみ15万床にする.そして削減する23万床については,15万~17万床を老健に,残りの6万~8万床をケアハウスや有料老人ホーム,また 24 時間往診を行える診療所に転換させるという(図1).
これにより,われわれ老健側には急遽,療養病床からの転換受け入れをどう考えるかという課題が突きつけられることになった.しかし,これはわれわれ老健のあり方が問題にされて起きたものではなく,厚労省の療養病床に対する突然の政策転換により発生した問題である.
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