特集 いい病院をつくりましょう
【事例】リテラシーの向上に努める病院
米盛 公治
1
1医療法人緑泉会整形外科米盛病院
pp.46-49
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100467
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「医療従事者中心から患者本位の医療へ」と叫ばれて久しいが,なかなかその方向転換には難しいところがあり,実際問題「患者本位とは何か?」ということすらいまだによく把握できずにいる病院が,自院を含め大多数であろうと思う.
セカンドオピニオン制度が診療報酬に反映されたこともあり,説明と同意と訳されるインフォームド・コンセントの充実には,現在どこの病院も力を入れている.その充実を図ることで,初めて医療提供側からの視点によるプロダクト・アウトから,いわゆる患者ニーズの視点からのマーケット・インや,医療提供側からの情報発信によるパブリック・リレーション「広報活動」(以下PR)へとステップ・アップできるようになる.その出発点であるところのインフォームド・コンセントのベースになるのは,あくまでも双方の正しい理解であり,患者ならびにその家族,ひいては国民全体に医療知識レベルの向上を図っていくことが,医療提供側に求められる必要な課題であると考える.そのためには患者側のリテラシー(理解能力)の向上を目的に,患者の視点で必要とされる情報をなるべく多く,また迅速に発信していかなければならない.
今回執筆の機会をいただくにあたって,自院での取り組みを振り返るとともに,今後のあるべき方向性について考えてみたい.
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