特集 いい病院をつくりましょう
事業の決定と執行
佐合 茂樹
1
1特定医療法人厚生会木沢記念病院
pp.41-45
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100466
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制度変化への対応と病院事業
平成18年4月に行われた診療報酬改定は,病棟看護師の配置に対する新しい評価と療養病床の縮小を目指した方針が明確にされたことに特徴があり,いずれも全国の病院運営に大きな影響を与えた.具体的には病棟看護師の配置,いわゆる 7:1 加算が新設されたことにより,看護師の充足度がそのまま病院経営に影響する事態が生じている.そのために急性期医療を担う全国の病院では,将来の命運を左右する事態と言わんばかりに看護師確保に乗り出し,リクルートの現場が過熱するといった現象が生じている.
標準人員の配置と病床数の関係には二つの考え方がある.一つは現在の病床数の基準を満たすために必要な要員数を確保する考えであり,もう一つは要員数に見合った病床数に減床する方法である.今回のように新しい基準が設定された場合においてもこの二つの選択肢が考えられるが,病院の選択肢は圧倒的に前者に集中している.何故なら,病院経営に携わる人たちは「いい病院にしたい」といつも考えており,そのためには制度の変化に対応して自院の機能を拡大,進展することが最良の選択肢であり,経営者の使命と考えているからである.ちなみに多くの病院管理者は病床数の削減は後退の理論であり,第二の選択肢と受け止めている.
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