連載 リレーエッセイ 医療の現場から
一人の理学療法士として
吉岡 政子
1
1生協さえき病院
pp.861
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100401
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私は理学療法士として病院のリハビリテーション(以下リハビリ)科に勤務している.そのため,何らかの疾患にて入院し,初めて理学療法を受ける方も少なくない.そのような方に対し,「はじめまして.理学療法士の○○です」といった挨拶を行う.するとどうだろう,大多数の方の頭に「?」マークが飛ぶのではないだろうか.その光景が目に見えているため,われわれ理学療法士は「リハビリの」などといった修飾語をあらかじめ付けて挨拶することが極めて多い.わが国に理学療法士資格制度が誕生して早 40 年の年月が経つわけであるが,いまだ「理学療法」という言葉が浸透するには至っていない.
理学療法とは,「身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マッサージ,温熱その他の物理的手段を加えることをいう.」と,理学療法士法に定められている.しかし,法に定められた「基本動作能力の回復」を主とする背景に,社会でその患者様がどのように生活していくかを常に意識しておく必要がある.
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