特集 医療と経済格差
先進的医療技術の利用状況の国際間格差
田村 誠
1
1日本ガイダント株式会社
pp.637-640
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100351
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多くの保健医療技術の利用状況が,同一国内の地域間,あるいは国同士で異なっていることは従来から知られている.例えば米国内,あるいは他の国でも,地域ごとに比較すると手術率などに大きな差がみられている(患者側にそれほど大きな差がないと見込まれるにもかかわらず)1).その結果,EBM や医療の標準化が必要であるとの議論が盛んになってきた.
しかし,依然として地域同士,とくに国同士で先進的医療技術の利用状況には格差があるとされる.また最近では,抗がん剤等の未承認薬の問題が一昨年頃よりわが国において大きく問題視されることとなり,その結果,厚生労働省は「未承認薬使用問題検討会議」の設置等の対策をとっている.本稿では,先進的医療技術の利用状況の国際間格差の実態例を紹介し,そのうえで格差が生じる要因について考察を加えることとしたい.
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