特集 地域の活性化に病院は貢献するか
【病院が主体となった地域振興事例】南房総のブランディング,医療産業と雇用 亀田メディカルセンター(千葉県鴨川市)
亀田 信介
1
1医療法人鉄蕉会亀田総合病院
pp.226-228
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100295
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亀田メディカルセンターは,千葉県の南端に近い鴨川市というリゾート地で,太平洋に面して立地している.この地域は,少子高齢化が進み,人口も減少し続けている過疎地で,高齢化率は既に30%を超えている.一方,東京湾を横断する(木更津~川崎)海底トンネルであるアクアラインの開通により,羽田まで約1時間(65km),東京駅まで1時間30分(80km)という距離となった.鴨川市は,昨年合併をしたにもかかわらず,現在,人口約 36,500 人・一般会計予算は約140億円・特別会計と企業会計を合わせた予算総額でも約280億円という,極めて小さな自治体である.この予算額は,一般会計が当院の人件費とほぼ一致し,予算総額でも当院の予算をかなり下回っている.このような地域において,当院は医療サービスの提供という,病院本来の役割と,雇用の場,すなわち地域経済を回転させ,支えていくための中心的役割を果たしてきた.
さらに,高齢化の進展に伴い,介護・福祉サービスのニーズが増大してきたため,社会福祉法人を設立し,施設および在宅の介護・福祉サービスを,また関連会社において,ヘルパー派遣および,介護機器の販売・レンタルなどのサービスを提供してきた.
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