特別寄稿
高額医療機器購入における意思決定モデル
池田 吉成
1
1監査法人トーマツ ヘルスケアコンサルティング部
pp.225-228
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100257
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億単位の医療機器を購入するにもかかわらず,その購入意思決定にあたっては,判断基準が曖昧なままになっていないだろうか.ここでは,高額な医療機器投資に対して,財務的な面でその意思決定を支援する DCF 法 (Discounted Cash Flow)についてご紹介したい.
■おカネの時間的価値
例えば,何十年も前なら100円でもかなりの買物ができたかもしれないが,今では100円ショップに行っても(実際には105円であるため)何も買うことができない.基本的に,おカネには時間によってその価値が変ってしまうという性質がある.
住宅を買うにしても,今現金で購入すれば3,000万円で買える物件でも,金利3%(複利)の30年ローンにすると,支払総額は4,500万円にもなってしまう.つまり,今後30年間という将来にかけて支払う4,500万円もの大金といえども,現在の価値では3,000万円しかないため,結果的には1,500万円も目減りしていることになるのである.
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