特集 病院にとって「患者の視点」とは
医療サービス対応事務局―患者様の視点に立った病院経営をめざす
須藤 秀一
1
1医療法人財団献心会川越胃腸病院
pp.914-917
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100113
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医療界にとって,ミドリ十字薬害エイズ事件,雪印乳業食中毒事件,雪印食品不正表示事件,最近では三菱ふそうリコール事件等は他人事ではない.大企業であっても,コンプライアンス(法遵守)の欠如や消費者志向の欠如により,消費者対応を誤ったこれらの事件を通して消費者の視点に立った経営の重要性,すなわち医療機関にとって患者様の視点に立った経営の大切さを改めて考えさせられる.
連日のように報道されている医療事故・医療過誤の根本原因は,患者本位の医療の欠如にあるという指摘を医療機関は謙虚に受け止める必要がある.今日,医療機関は患者様の視点に立って,患者様の声を経営に反映させる努力が求められている.
このような観点から,当院が平成4年に産業界の取り組みを参考にして創設した「医療サービス対応事務局」について述べたい.
当院の「医療サービス対応事務局」の説明をするにあたり,産業界における消費者対応の現状についてふれておきたい.
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