症例報告
日常生活の適応を高めるために作業療法が試みられたKorsakoff症候群の一例
鈴木 孝治
1
,
小泉 典章
2
1小田原市立病院
2信州大学医学部精神医学教室
pp.756-759
発行日 1988年11月15日
Published Date 1988/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104143
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Ⅰ.はじめに
Korsakoff症候群は,記銘力障害,見当識障害,作話,逆向性健忘を主徴とし,日常生活が著しく障害される.著者らの知る限りでは,Korsakoff症候群を対象とした作業療法の報告は無い.今回,無酸素性脳症の急性期を過ぎた後に,重篤なKorsakoff症状を残した1症例に,比較的よく保たれている日常習慣(手続記憶)1)を手がかりにして,日常生活の適応を高める目的で積極的に作業療法を行った.そして,半年間の治療の後に,家庭復帰可能の状態にまで改善させることができたので,その経過について報告する.
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