Japanese
English
短報
Rhabdomyolysis回復後にKorsakoff症候群を呈したアルコール依存症の1例
An Alcoholic Patient Developing Korsakoff Syndrome after Recovering from Acute Rhabdomyolysis
藤本 佳世
1
,
松井 徳造
1
,
永田 利彦
1
,
松永 寿人
1
,
小田 裕
2
,
新藤 光郎
2
,
小出 誠司
3
,
切池 信夫
1
Kayo FUJIMOTO
1
,
Tokuzo MATSUI
1
,
Toshihiko NAGATA
1
,
Hisato MATSUNAGA
1
,
Yutaka ODA
2
,
Mitsuo SHINDO
2
,
Seiji KOIDE
3
,
Nobuo KIRIIKE
1
1大阪市立大学医学部神経精神医学教室
2大阪市立大学医学部麻酔・集中治療学教室
3こいでクリニック
1Department of Neuropsychiatry, Osaka City University
2Department of Anesthesiology and Intensive Care Medicine, Osaka City University
3Koide Clinic
キーワード:
Wernicke-Korsakoff syndrome
,
Rhabdomyolysis
,
Acute alcoholic myopathy
,
Thiamin-supplementation
,
Alcoholism
Keyword:
Wernicke-Korsakoff syndrome
,
Rhabdomyolysis
,
Acute alcoholic myopathy
,
Thiamin-supplementation
,
Alcoholism
pp.745-748
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902255
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横紋筋融解症(rhabdomyolysis)は,何らかの原因により骨格筋細胞の融解変性・壊死を来し,筋細胞の内容物が細胞外に遊出する状態で,高度となるとミオグロビン尿症を伴う急性腎不全を引き起こし,早期に診断し適切な処置をとらないと,死に至る疾患である。このような病態は,当初は外傷に伴うもの2)が報告されていたが,その後,種々の非外傷性の原因でも発症し,多くは,アルコールなどの薬物によって引き起こされることが知られるようになった3,8)。比較的まれな病態ではあるが,透析医療などの関係者では比較的よく知られる病態となっている5)。一方,Wernicke-Korsakoff症候群は,アルコール依存症患者(以下,ア症者)にみられる病態として,よく知られているが,近年,ビタミン剤の普及により忘れられていた。しかし,ア症者以外でも出現することが知られており,最近,その発症に注意するように繰り返し警告されている14)。今回,我々は,ア症者で上の2つの症候群を合併したと考えられる症例を経験したので報告する。
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