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特集 脳卒中
脳血管性痴呆のとらえかたと対応
Evaluation and Physical Therapy of Cerebrovascular Dementia
丸田 和夫
1
Kazuo MARUTA
1
1石川県八田ホーム
1Ishikawa Nursing Home, Hatta.
pp.706-711
発行日 1988年11月15日
Published Date 1988/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104129
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Ⅰ.初めに
脳卒中に伴う痴呆症状は脳血管性痴呆(cerebrovascular dementia)の型をとることが多い1,2).脳血管性痴呆は脳血管障害による脳の器質的病変から起こる症状の一つであり,脳卒中患者ではリハビリテーション上の重大な阻害要因となっている3,4).
脳卒中においては,初発年齢の高齢化,救命率の向上,発作後の平均余命の延長などにより脳血管性痴呆を随伴した患者が増加している.脳卒中の理学療法を実施する際,脳血管性痴呆の存在が身体機能の障害以上に大きな問題となり,失語・失行・失認などの高次脳機能障害とともにその病態の理解と適切な対策が必要とされることが少なくない.
本稿では,脳血管障害に関連して生ずる脳血管性痴呆のとらえかたとその対応について文献的に概説し,脳血管性痴呆を伴った患者(痴呆患者)の運動や動作の問題点を行動障害という観察からとらえた場合に,理学療法が果たすことのできる役割について私見を加え述べてみたい.
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