研究・調査・報告
胎児位置異常(逆子)における鍼灸治療の効果について
日野 勝俊
1
1HINO Health Office
pp.914-917
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100842
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はじめに
鍼灸治療は体表への機械的・物理的刺激療法であり,自律神経の失調すなわち交感神経緊張状態を抑制し副交感神経活動を促進させることで,さまざまなストレスを軽減し,精神的にも肉体的にもリラックスした状態をつくり出す。
鍼灸治療による逆子の矯正は臨床上しばしば経験する。「母体が良い状態になることによって,お腹の子も居心地のいい位置になれるような気がする」。これは逆子を経験した,ある妊婦の言葉であるが,鍼灸治療による大きなリラックス効果がもたらした結果といえよう。“病は気から”という言葉がある。母親が「逆子だ! 逆子だ!」と言い聞かせていると,お腹の子も身動きできないのではないかと思う。
「逆子であっても帝王切開で安全に分娩できるから」と担当ドクターから説明されて,何の考えもなく帝切分娩を受け入れる妊産婦がどれくらいいるのか。やはりできれば自然な出産を希望する人が多いのではないかと考える。
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