Japanese
English
特集 精神科デイケアと作業療法
精神科デイケアの期待される効果と限界―国立精神・神経センター武蔵病院デイケアの現況と開設以来15年半の結果から
Psychatric Day Care and Occupational Therapy: Usefulness of Psychiatric Day Care: Present State and Review of 15.5 years Practice of Psychiatric Day Care Service in National Center Hospital for Mental, Nervous and Muscular Disorders (NCNP).
樋田 精一
1
Seiichi TOIDA
1
1国立精神・神経センター武蔵病院デイケア科
1NCNP (National Center of Neurology and Psychiatry).
pp.495-504
発行日 1988年8月15日
Published Date 1988/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104072
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.初めに
我が国においても精神科デイケアが病院でも地域でも広く行われるようになってきつつある.精神保健法施行に端的に示されるように,精神科医療が社会復帰促進,地域活動の展開へと大きな曲がり角にさしかかっているこんにち,精神科デイケアに対する期待にも大きなものがあると考えられる.
しかし,我が国における精神科デイケアの普及はまだ緒に着いたばかりと言うべきで,病院,地域,さまざまな所で,さまざまな様態のデイケアが行われており,その運営の考えかたにもさまざまなものがあり,各地で模索の段階にある.また,その期待される効果と限界についても,行われるデイケアの様態,運営の考えかたなどによって異なり,その評価法も確立しているとは言い難い.
そこで本稿では,国立精神・神経センター武蔵病院デイケアの現況と開設以来15年半の結果を示し,デイケアに期待される効果と限界について述べる.
なお,デイケアという場合,我が国では病院・診療所などで医療として行われるものから保健所などで地域保健サービスとして行われるものまでを含めて言われるが,ここでは医療として行われるものについて考えることにする.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.