症例報告
歩行失行の一症例について
植松 光俊
1
,
木村 美子
2
,
大峰 三郎
2
,
江西 一成
2
1藍野医療技術専門学校
2産業医科大学病院リハビリテーション部
pp.125-128
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103976
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Ⅰ.初めに
歩行失行は1926年にGerstmanとSchilder1)によって初めて報告されたが,彼らはその著書の中で,「歩行失行とは下肢に筋力低下や知覚障害,失調など歩行を阻害する因子が何ら認められないにもかかわらず正常な歩行ができない歩行障害である」と述べ,その責任病巣は,前頭葉にあるとしている.その後,いくつかの症例報告がなされたが,症例数そのものが少ないため,その発現機序や特徴などについて充分な同意が得られていないのが現状である.今回,我々は典型的な歩行失行症状を呈した症例を経験し,若干の知見を得たので報告する.
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