The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 21, Issue 10
(October 1987)
Japanese
English
特集 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
ALS患者の呼吸管理―理学療法士の立場から
A Respiratory Care of Patients with ALS: A Physical Therapist's View
千住 秀明
1
Hideaki SENJU
1
1長崎大学医療技術短期大学部
1Division of Physical Therapy, School of Medical Technology and Nursing, Nagasaki University.
pp.660-664
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103875
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.初めに
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は,通常40~50歳台に発症する進行性の疾患である.多くは,発症から死亡まで,5年以内であり,平均3年,短い症例では1年で死亡する.本疾患の発症は,上下肢の筋力低下,筋萎縮に始まり,徐々にADLが制限され,球麻痺や呼吸筋麻痺および呼吸器合伴症にて死亡する.
厚生省のALS研究班1)は,ALSの進行程度(重症度)を1度から7度に段階付けしている(表1).
このようなALS患者などのいわゆる難病のリハビリテーションの目標2,3)は,残存機能を有効に使い,可能な限り日常生活を自立させ,限られた人生を人間的尊厳を保たせ有意義に過ごせるよう患者および家族への指導を行うことである.この目標に従い理学療法士は,病状の進行に沿った理学療法の展開が必要となる.
ここでは,本章のテーマにより,ALS患者の呼吸管理を理学療法士の立場から述べる.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.