雑誌レビュー
“AJOT”(1986年版)まとめ
土田 玲子
1
,
長尾 哲男
1
,
岡野 純毅
1
,
金城 正治
1
1長崎大学医療技術短期大学部
pp.561-563
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103848
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1986年度AJOTの内容の特徴としては,5号で急性期疾患に対するOTの役割が特集に取り上げられ,11号では健康増進に対するOTの役割が取り上げられるなど,職域の拡大とその役割の多様化を示す内容となっている点であろう.OTの概念や,活動分析,OT研究,教育などについての論文も目だち,以前に比し臨床研究の占める割合が減少してきているようにも見受けられる.
7号では,Moore JCの中枢神経損傷の回復の可能性について,近年の神経生理学の知見をまとめた論文が,目を引く.また,同じ7号で,Ottenbacher KJが,Single-subject researchによく使用される患者の変化を示すグラフの解釈について,視覚的な判断は主観的で一貫性が無いことを示している.Single-subject researchは,OT臨床研究の一方法として近年特に注目されてきており,この知見は注意深く検討される必要があろう.
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