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はじめに
1981年のAmerican Journal of occupational Therapy(AJOT)の1号から12号までの概観,筆者の感じたことについて述べてみる.
各号の構成内容は,
Nationally Speaking
Features
Brief or New
Association
Departments
であり,features(論文)は各号3~6題で,その総数は53題である.brief or new(短報・速報)の総数は8題である.今回,このfeaturesとbrief or newの61題に関し概観していく.
論文内容からみて,OTに伝統的に継承されてきている身体障害関係・小児関係・精神障害関係・その他,に大きく分類した.その他には教育関係・哲学的題材などが含まれる.
各分類ごとに,その内訳数をみると
身体障害関係 25題
小児関係 15題
精神障害関係 6題
その他 15題
であった.
全体的にみて,感覚統合理論およびテストの妥当性と信頼性についての検証に関する題材が多く,小児関係15題中10題,精神障害関係6題中3題を占めていた.
また身体障害関係も,その内容は多岐にわたり豊富であった.対象疾患別にみると,慢性関節リウマチ(RA)・脳血管障害(CVA)・腰痛症・切断・脳性麻痺(CP)などであり,主題別にみると,splintに関するもの・更衣動作に関するもの・バイオフィードバックに関するもの・老人に関するもの・自助具に関するもの,その他一般臨床的題材が多く含まれていた.
精神障害関係は6題と少なく,eye contactに関するもの,ゲームに関するもの,day centerに関するもの,自傷行為,常同行為に関するものなどで,純粋な精神科疾患へのアプローチについて論じたものは極少であった.その他,教育に関する題材が5題,OT原理・あり方・動向などの哲学的・社会的題材が10題であった.
各号により,類似の関連論文が掲載され,比較的その号の特性を示していたのでふれてみる.
No.1,12:感覚統合アプローチ
No.3:スプリント
No.5:教育
No.9:OT原理
No.10:老人
これら61題の論文のうち,身体障害関係・小児関係・精神障害関係の3分野について,筆者の興味に基づき,やや独断的ではあるがそのまとめについて報告する.
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