本の紹介
「Introduction to Problem Solving in Biomechanics」―Christina von Heijne Wiktorin and Margareta Nordin著
アンドリュー ポール
1
1ボバース記念病院
pp.497
発行日 1986年7月15日
Published Date 1986/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103598
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理論の上で知ることと体験を以て把握することとは,基本的にかなり違う.例えば,交通の教則を読むだけで自動車の安全運転ができるとは考えがたい.実習の有無によって,安全運転の能力が影響されるわけである.それと同様に,生体力学の知識が使い物になるかどうかは,演習問題を経験することにより左右される.とりわけ入門的な段階では,生体力学の演習問題を通して臨床上の見方の一側面が鋭敏になり始める.私は,生体力学の演習問題をいくつか作ってみたことがあるが,時間不足でなかなかうまく進まなかった.そこで,本書の題名を広告から見い出して,早速注文した.
本書は,理学療法的な問題を中心にして,難しい数学的な説明を避けてある.力学の原理を説明するには,豊富な臨床的な例が提示されており,わかりやすい想像的な絵も臨床家にとって参考になるであろう.すべての演習問題の解答が丁寧に備えられているので,本書を自習の材料にすることもできる.
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