The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 19, Issue 10
(October 1985)
Japanese
English
特集 整形外科
テーピングの理論と実際
Theory and Practice of Taping
川野 哲英
1
,
浦辺 幸夫
2
,
鹿倉 二郎
3
Tetsuei KAWANO
1
1日本体育協会スポーツ診療所
2札幌医科大学衛生短期大学部
3ソニー
1The Sports Clinic of JASA (Japan Amateur Sports Association)
pp.662-670
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103417
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はじめに
テーピング(taping)は米国を中心にスポーツの領域で発達したテープを用いた技術であり,それが日本へ入り,ここ10数年の間,スポーツ,スポーツ医学の隆盛とともに治療,予防の手段として社会化してきたと言えよう.
もちろん,日本でも整形外科の領域でテープ(絆創膏)の利用は固定術の一方法として行われてきた.しかしながらテープの利用目的が主に固定にあったため,より強固な固定,つまりギプスを中心とした固定法がその主役を果たし,テープは補助的手段か,形態的あるいは機能的な問題のある部位へ用いる状況であったと言えるだろう.
形態的,あるいは機能的な問題から主役を果たした部位として知られているのは,鎖骨,肋骨などの骨折後の固定であり,指の捻挫,足関節の捻挫であろう.足関節の捻挫については「ギフネー氏絆創膏固定術」が有名である.これらのうち指を除く固定術は保険診療報酬の条項にも挙げられている5).
今回,述べるテーピングは前述の如く,スポーツの世界で発達した方法である.いまやスポーツマンの社会に留まらず「テーピング」という言葉は知られている.我我,理学療法士の分野においても,欧米の情況を考えるならば,積極的に利用できる有効な方法であろう.
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