インタビュー PT・OTの素顔
精神科に「音楽療法」を積極的に導入される声楽家OT
山崎 郁子
1
1山田病院
pp.332-333
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103327
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<先生はリハビリ学院を卒業後,音大に進学なさり,OTとしては異色の道を歩まれたわけですが,元々は音楽家を目指しておられたのですか>
山崎 そうです.私の専門は声楽ですが,高校1年の頃から音大への進学を望んでおり音楽の先生からも勧められていましたが,親が大反対で,高校3年の時,その望みを断念せざるをえませんでした.で偶然,新聞で,国療東京病院付属リハビリ学院の紹介記事を読み,意義のある仕事に違いないと思い受験しました.リハビリ学院入学当初は,PT・OTが機能訓練をすることにより患者の障害が治るのではないか,と思っていたのですが,学んでいく内に,患者が残された機能を生かしながらいかに自立していけるかを援助していく仕事だと悟りました.また私が親しくさせて頂いた米国のOTの先生の専門が精神科でしたので,卒後は精神科に行きたいと思っていました.しかし,リハビリ学院に在学しながらも音楽への夢を完全には捨て切れず,ある日,声楽家の砂原美智子先生のリサイタルを聞きに行き,感動して,“私を弟子にして下さい”と門を叩いてしまいました.始めは趣味でと思っていたのですが,砂原先生の教えを乞う内にやはり音大へ入って本格的に勉強しようと決意しました.
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