特集 カウンセリング
<随想>私のカウンセリング経験
家庭崩壊の危機を脱して
須﨑 光一
1
1伊豆逓信病院
pp.825-826
発行日 1983年12月15日
Published Date 1983/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102989
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私が接する患者の多くは身体障害者でそれだけに精神的にも肉体的にも多くの問題を抱えている.精神的な問題が解決しても,健康だった病前の生活には戻れない場合がほとんどで,職業的にも家庭生活の上にも変更をせまられ,新しい生活に適応するために多くの忍耐と努力が必要となる.これまで多くの患者と出会い,忘れられない経験をして来たが,その中でも特に思い出深いAさんについて書いてみたい.
A・O氏,昭和2年生まれ,男性,公務員.診断名:外傷性頭頸部症候群.症状:頭痛・めまい,右肩・腕・背中・腰部の疼痛としびれ感.発症:昭和37年8月.バイクにて外勤途中転倒による,業務災害.当院入院は,昭和52年10月,発症より15年間入退院を繰り返し,神経内科・整形外科・ペインクリニックを渡り歩いた.
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