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序文
スポーツの盛んな米国において,膝の負傷は非常に多く見られる.日本と異なり,プロスポーツで,コンタクトスポーツが数多く,アメリカンフットボール,アイスホッケー,サッカー,バスケットボールなど,また,野球,テニス,ラケットボール,ハンドボールなどのように,足を軸として身体を動かすスポーツが数多くあるために,スポーツにおける膝の負傷が日本の何倍にも及ぶのは当然であると思われる.Lenox Hill Derotation Brace(以下LHBと略す)のそもそもの開発の始めは,1960年代の米国野球界で大活躍していたNew York YankeesのMicky MantleおよびRoger Morrisなどが膝の靱帯を負傷した際に,Yankeesの主治医でLenox Hill Hospitalのchief orthopedic surgeonのDr. Gaynorが,病院内にある装具科のJack Castigliaに靱帯の再建術後の保護を目的とし,なおかつ通常の運動を妨げない装具を考案せよと依頼したのが最初である.しかしながら,その時点ではうまくいかず,数年後にアメリカンフットボールで60年代の英雄といわれたJoe Namathがタックルの際に受傷した膝をLenox Hill Hospitalの新任のchief orthopedic surgeonであるDr. James Nicholasによりfive in one knee reconstruction surgeryを受け,再度LHBの作成が開始され,その時に作られたものが現在のLHBのオリジナル型式である.この装具の特長は,装具の基本的理論である3点支持を患部に活用したものである(図1).
現在,LHBは膝の靱帯損傷,半月板損傷,脛骨上顆部骨折,RA,血友病などの疾患に使用されている.
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