論述
PTB braceによる下肢骨折の治療
矢野 悟
1
,
有田 親史
1
,
鈴木 国夫
1
,
飛田 洋次
1
,
小林 郁雄
1
,
三宅 正夫
2
,
細見 壮太郎
2
Satoru YANO
1
1北兵庫整形外科センター
2市立西脇病院整形外科
pp.472-478
発行日 1975年6月25日
Published Date 1975/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905191
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はじめに
1967年にSarmientoによりfunctional below-the-knee cast(私達は便宜上P. T. B. castと呼ぶ)が考案されて以来,下腿骨折の外固定概念は大きく変り,骨癒合完成を待たず,免荷歩行が可能となり,従来の関節拘縮,筋萎縮の問題は改善され,優れた治療成績を納めている.しかしながら,1.P. T. B. castは破損しやすい.2.治療経過中に数回にわたる巻き換えのため,手数と時間がかかる.3.荷重時のヒールコンタクトの程度は不明確である.4.足関節に拘縮が残る.5.骨折部のレ線像が不鮮明である.6.人浴できない.等の問題が残されている.私達は以上の点を改善するためにSarmientoの考案したfunctional below-the-knee braceのアイディアに基づき脱着可能なpatellar tendon bearing brace(私達は便宜上P. T. B. braceと呼ぶ)を作成し,現在までに40症例42下肢に適用し,満足すべき結果を得たので報告する.
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