特集 農村病院
Hill-Burton法と一農村病院
岩佐 潔
1
1病院管理研修所
pp.251-258
発行日 1959年4月1日
Published Date 1959/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201492
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1.序論
民主社会において政府がどの程度ある事業に介入すべきかと云う問題は20世紀に課せられた試錬であつて,各国がそれを如何様に解決するかと云う点がひいては社会主義か資本主義かと云う世界史の課題に解答を与える鍵となると思われる。この一般的課題は医療制度の面においてもいろいろな様相をもつて各国政府の具体的時策として現われている。同じ自由主義的な国々のうちでも,イギリスの様に医療国営を実施している国もあるし,医療自体は殆んど自由企業にまかせているがその医療費負担の機構において政府が強力な関与をしている国もある。
ところでアメリカ合衆国は,これ等医療制度の面においても最も自由主義的な傾向を持つ国の代表の様に考えられているけれども,仔細にその制度を調べてみると必ずしもそうではなく,政府,特に連邦政府が直接関与しその責任において事をはこんでいる面が多数あることに気がつく。
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