Japanese
English
特集 慢性関節リウマチ
慢性関節リウマチの診断基準と病態生理
Diagnostic Criteria and Pathophysiology of Rheumatoid Arthritis
延永 正
1
,
吉田 史郎
1
Masashi NOBUNAGA
1
,
Fumio YOSHIDA
1
1九州大学生体防御医学研究所
1Medical Institute of Bioregulation, Kyushu University.
pp.809-816
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102750
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Ⅰ.はじめに
慢性関節リウマチ(RA)の原因は不明である.したがってその診断上決定的な症候や検査所見はない.しかし同じような臨床症状を示す慢性関節炎の一群があるこは事実で,その臨床的特徴の共通性を捉えてRAであろうとしているのが実状である.すなわち現在われわれがRAとして把握している疾患が果してRAという単一疾患のみであるのか,あるいは異なった疾患をも包含しているのかは分からないわけである.最近,組織適合性抗原(HLA抗原)の研究から,リウマチ因子(RF)陽性のRA(seropositive RA)ではHLA DR4が有意に多く,それに対してRF陰性のRA(seronegative RA)ではそのような相関のないことが明らかになった1).したがって両者は遺伝的には異なった疾患である可能性が強いが,臨床的にはRFを除いて明確な区別はつけ難い.よって同じくRAの範疇に含めている.結局現状ではいかにRAらしいか,RAらしい特微をいくつ備えているかによって診断を下しているのであるが,RAの本態が明らかになるまでは止むをえない措置であろう.
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