本の紹介
「ナースのための行動療法(問題行動への援助)」―Rosemarian Berni・Wilbert E. Fordyce著 大橋正洋・前田小三郎・内山勉訳
寺山 久美子
1
1東京都心身障害者福祉センター
pp.525
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102678
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本書は標題からもわかるように,問題行動をもつ患者が自立していくのを助けるのにどう対処したらよいかを示す看護婦のための手引き書である.しかし,訳者も云うように,ひとり看護婦のみでなく,慢性患者に関わる多くの人口,たとえば理学療法士,作業療法士,保健婦,療護施設の職員にも役立ちそうである.
「行動変容プログラム」を一般病棟に入院するいろいろの問題をかかえた患者に対して看護婦が組み,それを実践していくわけであるが,症例が豊富で興味深い.行動変容技法は,精神薄弱児の身辺処理訓練(例えばトイレットトレーニング)に使われるのは一般的だが「自立をめざす」一般患者にも適用し,多くの成功例を本書で知り得たことは,我々リハビリテーション関係者にとっても心づよい.行動変容技法に関心をもつ私などは,「よし,それでは私も本格的にトライしてみるか」という気になる.
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