一頁講座 障害児の日常生活用具
風呂に入る
松本 政悦
1
,
小池 純子
2
1横浜市戸塚地域療育センター
2横浜市総合リハビリテーションセンター
キーワード:
入浴
,
バスチェア
Keyword:
入浴
,
バスチェア
pp.188
発行日 2005年2月10日
Published Date 2005/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100050
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- 文献概要
入浴は,多くの子どもにとって楽しい時間である.保護者とのスキンシップ,リラックス効果,お湯を使った感覚あそび,抗重力活動の増加など,入浴には体の清潔を保つ目的以外にも多くのメリットがある.一方で保護者にとって入浴は,介助の負担が大きい時間でもある.一般に重い障害がある子どもの場合,成長に伴い入浴介助は負担増加の一途をたどる.特に緊張や不随意運動の強い子どもの場合,介助負担は非常に大きなものとなる.ここでは,子どもの入浴動作の自立援助と,介助者の負担軽減のための福祉用具をいくつか紹介する.
乳幼児期の子どもの場合は,保護者の介助による洗体・入浴が一般的である.定頸しているが座位保持が不安定な子どもの場合,市販の幼児用パイプ椅子などの座面や背もたれを改造し,入浴時の椅子として使用することがある.未定頸の子どもの場合は,抱きかかえによる洗体・入浴が多い.子どもをリクライニングして座らせ洗体する目的で,バスチェア(後出)を使用することもある.緊張や不随意運動が強い子どもは,この時期から入浴で苦労することが多い.しかし,このような子どもに有効な用具はほとんどみあたらない.
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