Japanese
English
特集 義肢・装具ハンドブック
Ⅰ.義肢・装具の世界
切断者のリハビリテーションにおける最近の動向
Recent Advances in Rehabilitation of the Amputee
澤村 誠志
1
Seishi SAWAMURA
1
1兵庫県リハビリテーションセンター
1Hyogo Rehabilitation Center
pp.749-758
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101802
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
切断者のリハビリテーションの目的は,手足の切断という大きな心理的ショックをできるだけ軽減しながら,早期に安定した成熟断端を作り,近位関節の拘縮発生を予防しながら義肢の早期装着訓練を行って最大の機能を得て,終局的には早く社会へ復帰させることにある.このためには,図1のように,単に医学的な分野だけでなく,義肢の進歩に寄与する工学面,心理面,社会的,経済的な面と,さらに特に上肢切断の場合には職業的な面でのリハビリテーションが必要である.そして,本当に義肢が切断者の一部となるのには,社会復帰後の巡回相談,修理サービスなどを通してのアフターケアが大切である.
従って,切断者木位のサービスを行うためには,図2に示したようないろいろな職種の人たちのチームによる治療が必要となる.このうち,特に医師,義肢装具士,理学療法士,作業療法士,エンジニア,MSW,看護婦などを中心とするチームによるクリニックにより切断者の訓練,義肢の処方,適合判定などが行われることが重要であることはいうまでもない.それぞれの職種の人達が各々の専門分野において,十分な知識をもち,チームワークがあれば,リハビリテーションは,なかば終了したといっても過言ではない.この意味では,そのチームワークの場を提供する義肢切断クリニックの存在有無が切断者のリハビリテーションの現状を知るための一つの規準になろうかと思われる.そこで,まず,全国における義肢装具クリニックの現状について調査した結果を述べ,次いで最近における切断者のリハビリテーションの技術面での動向について述べてみたい.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.