特集 障害受容と援助法
<随想>
医学と生活
寺田 純一
1,2
1日本脳性マヒ者協会
2東京青い芝の会
pp.726
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101560
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4年ほど前,妻がお腹が大きくなって,産院通いなどに室内用車イスが必要になり,交付してもらうために都の福祉センターの判定を受けに行った.判定にあたった医者が,「食事を作ったりするのは誰にやってもらっているのですか」と聞いた.「みんな自分でやっています」と答えたら,信じられないという顔をして,「でもそうでなけりや,妊娠も出来ないもんな」といったそうである.
また,都立の病院で出産する時,産科の医長が,基準看護の病院でありながら,付添がいなければ引き受けられないといって頑張った.いよいよ産れるという時になってもあとへひかず,心臓が凍り付く思いをさせられた.福祉事務所が急遽,ケースワーカーを泊り込ませて,なんとかその場を切り抜け,無事出産をおえた.結局付添がやらなければならないことはほとんどなく,二日後には病院も付けなくてもいいと認めたのである.
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