Japanese
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特集 レクリエーションとスポーツ
身体障害者のレクリエーション―総論
Recreation for the Physically Handicapped
前田 守
1
Mamoru MAEDA
1
1中伊豆リハビリテーションセンター
1Nakaizu Rehabilitation Center
pp.344-348
発行日 1977年5月15日
Published Date 1977/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101474
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Ⅰ.はじめに
リハビリテーションの中でのレクリエーション(以下,レクと略す)はOT,PT,M.S.T.(医療体育療法)ばかりではなく,近ごろではレク・リーダーと称される専従者が活躍するなど,さまざまな形で日常的に行なわれている.
かつての,「仕事」に生きがいをかける,という美徳化された社会通念が,今日ではエコノミックアニマル,と呼ばれるほど高度成長社会を築きあげるに至った.多くの企業が「週休2日制」の時代となり,人々は「余暇」と「労働」とが同じ比重で日常に係わりを持つようになりつつあり,いわば「物質的な豊かさ」と「精神的な豊かさ」とを求める生活が普遍化するように思われる.
しかし,このような価値感の変化はたんに健康なわたくしたちに限らず,身障者のリハビリテーションにおいてもレクを取り入れる際の,現実的な順応がそう安易なものではなくしているように思われる.
病気になる前の「労働」を単に「訓練」という身近かな生きがいに置き換えたような,淡々とした身障者の生活にこそ,全人間的な蘇生を計る意味でのレクが必要なのではないだろうか.
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