メディカルプログレス
頭蓋骨盤直達牽引法/単一筋線維筋電図
岩倉 博光
1
,
真野 行生
2
1帝京大整形外科
2名古屋大学第一内科
pp.305
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101461
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側彎症や前彎,後彎などの高度脊柱変形の治療には近年頭蓋骨盤直達牽引法が実施されて,よい成績をあげている.
この装置は3つの部分から成り,まず頭蓋に4本のピンで金属環(halo)を固定する.これは1959年Rancho Los Amigos病院のPerryとNickelが頚推の外固定のために考案して発表したものであるが,当時は体幹部の支持はギプスを使用していた.これに対し,1970年にDe WaldとRayが骨盤にもピンを通してhoopを固定,頭蓋環との間に長い4本の棒を置いて両者を結合させる方法を発表した.脊柱変形矯正のためには,この伸展棒によって脊柱の支持力とし,しかも漸次強い牽引力がかけられるように考案されている.患者はこの装置をつけたまま歩行が可能である.そして1日あたり1~2mmずつ伸展棒の部分を伸展してゆくが,この間毎日神経学的所見を観察し,神経合併症の発現を予防しなければならない.
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