アメリカにおける作業療法教育の動向

The Trends of Occupational Therapy Education in the United States

はじめに

　今年でアメリカOT協会は60年を迎える．わが国の12年目と比べると老齢期と少年期の差があるにもかかわらず，着実な若返り法でより一層充実した進歩をとげつつあるのが分かる．筆者にとって全くの偶然ともいえる機会が重って，1960年にはColumbia大学医学部作業療法学科に学び，次いで1971年はBoston大学修士課程に留学できた．良師に恵まれて多くのことを学んできたように思える．この機会にアメリカの作業療法教育（以下OT教育と略す）について報告できるのは留学を助けてくれたアメリカ国務省と東京都へのほんの少しの謝辞を兼ねることにもなるのであろう．客観的立場から述べるとうよりはこの教育を受け，今もなお協会を通したり私的文通でアメリカのOT教育につながっている者として筆を進めさせて頂きたい．われわれにとって産業や教育の制度が似ていることもあり，いいところは何でも吸収していけると信じているのでお役に立てれば幸甚である．