メディカルプログレス
失語症(4)随伴症状(失計算,発語失行,麻痺性構音障害)/多発性筋炎 Polymyositis
福井 圀彦
1
,
三好 正堂
2
1七沢病院
2九州厚生年金病院
pp.785
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101322
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- 文献概要
1)失計算:本来失語症とは独立したものと考えられており,計算障害をまったく伴わない失語症も報告されてはいるが,大部分の失語症には計算障害を伴っているので,失語症のtest batteryにも採用されているくらいである.一般に加減算より乗除算の障害が大であり,加減算でもくり上り,くり下りがあると困難になる.
2)発語失行:発語器官の障害(麻痺,損傷など)がないにもかかわらず,発語が思うようにできない状態で,努力すればするほど意図からはずれた発語になる.構音の誤りかたや置換のパターンには一貫性がない点,構音障害とは本質的に異る.また,発語に際しては当惑しながら努力する様子がみられ,模索的であるのが特徴である.
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