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研究と報告
拮抗運動転換時間よりみた痙性の客観的評価の試み―アイスパック施行前後に於ける筋トルク曲線の解析より
A pilot study on objective evaluation of the spasticity by measurement of reciprocal inhibition time
嶋田 智明
1
,
下畑 博正
2
Tomoaki SHIMADA
1
,
Hiromasa SHIMOHATA
2
1九州リハビリテーション大学校
2九州労災病院
pp.713-718
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101307
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Ⅰ.はじめに
痙性は中枢神経疾患患者のリハビリテーションを進めていく上で問題となるものの一つである.リハビリテーションの対象が第2次大戦を境として大きく中枢性麻痺を主体とした疾患層へ変遷するに従い,痙性そのものに対する関心も評価法や治療法に大きく傾き,より客観度の高い方向へと進みつつある.特に痙性の評価法に於いては,今日に至るまで数多くの研究や報告がなされて来た.その多数くは,痙性を筋の反応性から定量的に把えんとしたものが大部分で,痙性筋そのものの運動反応に於ける過剰性に注目したものがほとんどと云って良い.本実験では,痙性筋とその拮抗筋との間に見られる正常より逸脱した相反神経抑制反応に着目し,Cybex machineにより得られる両筋の筋トルク曲線の解析から,痙性が定量的に把えられるかどうか,その可能性を見い出すことを目的とした.
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