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特集 頭部外傷とPT・OT
頭部外傷の作業療法の実際
Occupational therapy of head injuries
影山 滋久
1
Shigehisa KAGEYAMA
1
1東京労災病院
pp.451-456
発行日 1976年6月15日
Published Date 1976/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101239
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Ⅰ.はじめに
最近,交通事故の多発,労災事故の複雑化などにより,頭部外傷の患者は依然増加している.従って植物人間となった様な重症例は除くとしても,急性期観血的療法,薬物療法その他の脳神経外科的処置と並行して,あるいは終了した後に,作業療法が必要となる症例が増加している.当院では,脳神経外科が大きな分野を占めている為,われわれは従来より,かかる患者に対して,リハビリテーション(特に理学療法を中心)を行なってきた.しかし最近2年間は理学療法に劣らず,特に作業療法に重点をおき実施している.
一方,頭部外傷の患者には,種々な続発症,合併症が出現してくる.その中で特に作業療法(リハビリテーション)の阻害因子となるものに,高度な知能障害,精神障害,人格荒廃があげられる.これらの障害に対しての訓練,治療には,当然ながら精神医学的作業法が必要となる事が多い.また運動麻痺,不髄意運動,失行失認症,言語障害などの障害も出現してくる為,それらを全体的に把握し,評価する必要がある.当院においては,心理,言語訓練を作業療法士が兼ねている為,なお多くの不満足な点があるが,今回,過去2年間に作業療法を実施した患者15名についての小経験を述べる.
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