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本の紹介/「神経内科学」―荒木淑郎著/「作業療法―理論と実際―」―E.M. Macdonald,G. MacCaul L. Mirrey著 赤津隆監修・佐藤剛,田川義勝,大丸幸・訳
三好 正堂
1
,
寺山 久美子
2
1九州厚生年金病院リハビリテーション科
2都立心身障害者福祉センター
pp.384
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101226
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セラピストの方から「神経学の教科書で良いのはないでしょうか」とよく聞かれる.最近の多くのリハビリセンターでは,患者の70~80%は神経疾患であるというから当然な質問であろう.神経疾患は一般に理解し難いと考えられているが,良い教科書と教師がいれば決してそんなことはない.PT,OTに適した本といえば,かなり高度の専門書である必要があるし,かといって余りに詳し過ぎたり逆に簡略すぎると理解を妨げる.ある程度詳しく,図解が豊富でわかり易い本というとJ. ChusidのCorrelative Neuroanatomy and Functional Neurologyがあるが,邦書では荒木教授の「神経内科学」がよいのではないかと思う.
本書は750頁もあるが,そのうち536頁を解剖,生理などの基礎的事項,神経疾患の検査法,局在徴候と診断,主要症状と徴候の診かたと解釈,などに費され,神経疾患の部位と性状の理解に役立つように書かれている.これは神経疾患に親しむ上で大変重要なことである.
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