とびら
OT3年生の思い
生田 宗博
1
1横浜市大病院リハ科
pp.750-751
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101111
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OTという職に就いて3年を過ぎ4年に近づこうとしている.
最初の仕事はFoot-Slingを作る事だった.私の職場の先輩は海の様に包容量の有る人だったので,質問をしない限り何も言わなかった.Foot-Slingの役割と基本構造を彼女に確認した後,どうせ初めて作るのだから,アセラズ,時間をたっぷりかけて,Sling本来の機能に加え,装着感がよく装着の容易な,患者さんの使ってくれる物を作ろうと思った.3時間かけてやっと出来上がった.患者さんもよく付き合ってくれた.先輩の彼女は,何気なく自分の仕事を昼を随分と過ぎるまで続け,患者さんが装着して歩く具合をいっしょに見て,ほめてくれた.その時,患者さんの問題を知り,考え,解決方法を具体的に有効な治療行為に現わし,そして,心に接する“臨床”を本当に学べる様に思った.そして臨床を離れて仕事はない様に感じた.
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