The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 9, Issue 9
(September 1975)
Japanese
English
講座
運動学シリーズⅡ 肩・肘・手関節のKinesiology(1)
Kinesiology of the shoulder, elbow and wrist (1)
金子 翼
1
Tasuku KANEKO
1
1府中リハ学院
pp.637-641
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101081
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まえがき
数カ月前「肩・肘・手関節のkhnesiologyを」という依頼を気軽にひき受けたものの,いざ筆を取る段になると,案の定頭をかかえ込む結果となった.なぜなら,Kinesiology.に関しては多くのすぐれた出版物があり,今更あらためて,しかも限られた紙面で中途半端に,講ずる必要があるか否か?,さりとて,特別にKinesiologyを研究する立場にも置かれていない筆者が,この領域の最進の研究業績を総説する様なことは相当な危険が伴うこともあるし……等々,思いめぐらしたが良い構想が浮ばず,結局,理学療法や作業療法における臨床の場で,華者が特に必要だと思われる肩・肘・手関節に関するfunctional kinesiology,の基礎事項について簡単に整理するという作業にとりかかることにした.
説者諸氏の知識のbrush upにでも役立てば幸いに思う.
いうまでもなく,肩・肘.手関節の存在とその運動は,ほとんどすべてが手を目的の場所に位置づけるというためであろう(手のkinesiologyについては本誌Vol.5.No.1,No.2,No.3と3回に渡り荻島によってすでに講じられている).
その基となる「肩の動き」は,肩甲上腕関節,肩鎖関節,胸鎖関節,肩甲骨と肋骨間の動き,Rotator cuffと三角筋間の動き,等の総合的なものとしてとらえなければならないが,ここでは主として肩甲上腕関節をとりまく問題について取り扱うことにする.
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