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講座
運動学シリーズⅡ 肩・肘・手関節のKinesiology(2)
Kinesiology of the shoulder, elbow and wrist.
金子 翼
1
Tasuku KANEKO
1
1府中リハビリテーション学院
pp.695-699
発行日 1975年10月15日
Published Date 1975/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101095
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肩関節伸展と内転
肩甲上腕関節における上腕骨の伸展は,三角筋後部(中部は補助),大円筋,広背筋,上腕三頭筋(長頭)などによっておこなわれるが,この運動においても当然Rotator cuff musclesや,僧帽筋・菱形筋の活動が必要とされる.また,肩関節を屈曲した肢位から体幹に向って伸展する場合には大胸筋(胸骨・肋骨部),鳥口腕筋等が補助的に作用する.そして,休幹の線を越えて伸展し,完全伸展位に近くなると広背筋の牽引角度が不利になるため筋力は弱まる.この完全伸展位においては,どの筋よりも三角筋後部が活躍しており,この筋の麻痺では完全伸展が制限されることになる(図1).
大円筋の活動は,肩甲骨固定筋,特に菱形筋の活躍に左右され,菱形筋の麻痺があれば大円筋の収縮により肩甲骨が上方回旋することになり,肩関節伸展が制限される(図2).
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