プラクティカル・メモ
Brachial Plexus Injuryに於けるFunctional armslingの工夫
工藤 俊輔
1
1東京都立心身障害者福祉センター
pp.75
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100770
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最近の交通事故の増大に併い若年男性のオートバイ等の事故による上腕神経叢引き抜き障害が多くなっている.著者は上腕神経叢引き抜き障害のうち特に上位型損傷のケースを1例取り扱い,これの機能改善に対する若干の工夫を考案したのでここに紹介する.
症例は図1に見られるような典型的な上位型右腕神経叢引き抜き障害である.著者の工夫したDeviceは図2,3で示されているような市販されている1,800円のズボン吊りと1,000円程度の肩関節のサポーターの組み合わせである.このタイプの症例に於いてはProximalの筋群のDamageがDistalの筋群に比較して大きい.従って当Deviceではズボン吊りのバンドのループを手首にかけFunctional Positionで前腕を固定しShoulder Jointをサポーターで安定させズボン吊りの弾性を利用しElbowの屈曲を可能にすることができる.加えてFunctional Positionで保持する為作業効率も良くShoulder Jointの亜脱臼の防止にも役立つ図4.著者はこれを用いて廃用手に近い機能を補助手としての実用性を持たせることに成功した.
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