海外だより
カナダの理学療法
荻原 新八郎
1
Shimpachiro OGIWARA
1
1エドモントン総合病院
pp.57-60
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100767
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‘カナダ製’セラピストの生い立ち
第一次世界大戦当時マッサージ兼治療体操士(今でいう理学療法士)が多く活躍していたイギリスと違ってカナダにはほんのひとにぎりの‘外国製’セラピスト――主にアメリカおよびイギリスの――が存在していたにすぎなかった.カナダが自国のセラピスト養成に踏みきったのは1917年多数の傷痍軍人をかかえていた軍病院当局がイギリスにおける‘傷痍軍人に対して主として理学療法を用いた身体的リハビリテーションの成功’を悟った時である.そして1919年までの2年間に250名の男女がトロント大学Military School of Orthopaedic Surgery & Physiotherapyで6ヵ月間の訓練をへて各地の軍病院へ配置された.
第二次世界大戦後医療制度やセラピストの教育制度が整い,各地に理学療法科をそなえた病院や養成学校が続続とでき始めるに及んでイギリスから多くのセラピストが来加し,今日における水準の基礎をきずいた.
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