Japanese
English
研究と報告
バードラガツ技法を用いた水中運動療法
Hydrogymnastics using the Bad Ragaz technique.
荻原 新八郎
1
,
ピアソン サンドラ M
2
Shimpachiro OGIWARA
1
,
SANDRA M. Pearson
2
1エドモントン総合病院
2同病院
pp.37-43
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100760
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はじめに
運動療法が現代理学療法の主体を成すことは衆知の如くだが,近年温水中にて運動させ身体の機能回復をはかる方法も盛んになりつつある.バードラガツ技法は地上で用いられるPNF技法と同じく最も自然で機能的な「粗大運動パターン」を水中にて用い,傷害部の強化に頭部,体幹および四肢の強い部位を利用する方法である.そしてこれを身体全体としての機能向上につなげることがこの技法の原理である.この点が今まで一般に行なわれてきたような個々の筋肉を別々に再教育させる水中訓練と異なる.勿論温水プール内での運動療法であるからありふれたことながら温水使用上の利点を復習の意味で簡単に述べてみる.
①治療開始から終了までずっと暖かいこと.
②運動が地上でよりもゆったりのびのびとできること.
③地上でよりも早期に歩行パターンを確立できること――特に全体重負荷が禁じられている場合.
④セラピストにとって地上では取り扱い難い患者でも水中ではずっと楽であること.
⑤心理面で機能訓練に対する意欲がずっと高まること――特に長期臥床を余儀なくされた患者にとって.
Dr. Knupferの考案によるこの技法は発祥地を西独南部Schwarzwald(黒い森)のWildbadとするが,1960年代初期にスイス東部にある大温泉地Bad Ragazのメディカルセンターに取り入れられてから多くの改良をみ,現在各国に急速に普及しつつある.
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