特集 第5回日本理学療法士学会から
足と歩行
鈴木 良平
1
1福島県立医科大学整形外科
pp.11-16
発行日 1971年2月9日
Published Date 1971/2/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100393
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足の進化
人間は直立して歩くので,足は歩くとか,立つとかいうことに使っていて,ほとんどほかの用にはたっていない.直立歩行をするということは,古いことではない.初めは,はって歩いていたのが,いろいろな進化の過程を経て,現在の人間の足ができてきた.どういうふうにして現在まで進化したかということは,なかなかむずかしいことで,考古学者,古生物学者たちの研究しているところであるが,発生学的にどういうふうに変化をたどってきたかということを,お話ししたい.
脊髄動物のいちばん下等なのは魚であるが,まず胸のひれと腹のひれに分かれて,足と手の分化が始まる.両生類や爬虫類では,上肢と下肢がはっきり分かれている.
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