Japanese
English
特集 老人医学とリハビリテーション
老人のための住居・施設とリハビリテーション―建築的な面から
Architectural Consideration on Institutions for the Aged.
上田 敏
1
,
陳 慧玉
2
Satoshi UEDA
1
,
Keigyoku CHIN
2
1東大病院リハビリテーションセンター
2東大工学部吉武研究室
pp.20-28
発行日 1969年4月9日
Published Date 1969/4/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100200
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はじめに
リハビリテーションということばの本来の意味が“復権”であり,“本来もっていた権利・資格などが不当に剥奪されたのを元どおりに回復すること”であることは,特に老人のリハビリテーションを考える場合に忘れてはならぬことである.すなわち,老人は単に老人であるというだけで,すでに種々のハンディキャップを負った存在であり,ある意味では,すべての老人がなんらかの形でのリハビリテーションを必要とするとさえいわれている.
まして身体障害をもった老人は,若い障害者に比べて,はるかに多くの医学的・心理的・社会的な種々の問題をかかえているのがふつうである.そこで,そのような多様な問題のすべてになんらかの妥当な解決を与えることなしには,その老人の全人間的な“復権”はなされないのである.
ここでとりあげるのは,そのような問題のひとつ,老人の福祉とリハビリテーションの全過程を通じての老人の生活の場の問題である.それをわれわれは建築的な面を中軸としながら,同時に,老人が生活する種々の場でのリハビリテーションのありかたの違いを含め,できるだけ広い視野から考察していきたい.
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